弁護士法人はるか|水戸法律事務所

慢性硬膜下血腫の説明

交通事故発生後数か月して発生するので事故との因果関係が問題となる場合がある。

 

1.特徴

  ・事故後1~3か月後に症状が出現する。

  ・50歳以上が多い。(1~3か月後が多いことから,頭部打撲を忘れていることもあ

り,脳動脈硬化症あるいは加齢性脳機能衰弱と誤診されることもある)

  ・CT,МRIで簡単に診断可能。

  ・血種は,左右どちらか一側に多い(90%)が,両側の場合もある。

 

2.症状

  ・血種が大きくなると,頭痛出現(頭蓋内圧亢進による)。

  ・記憶力衰弱等種々の精神症状出現(血種による脳細胞への圧迫)

  ・片麻痺,失語症等大脳半球の症状出現(血種による脳細胞への圧迫)

 

3.治療

  ・穿頭

  ・血腫を洗浄,除去

  ・手術は局所麻酔

  ・血腫は,液状

  ・色は,醤油に似ている。

  ・血種を洗浄すると,神経症状,精神症状が著しく改善する。

  ・まれに,血種の再発を繰り返すため、開頭後,血種被膜切除。

 

4.発生機序

  ・現時点では,まだ十分には解明されていない。

  ・推定

   ・受傷時,硬膜下腔に小出血が起こり

   ・そこに髄液が混入して被膜が形成され,

   ・血腫膜に新しく血管が形成される。

   ・そこから出血を繰り返すと考えられている。

   ・血腫被膜内外の浸透圧差のため,血種が大きくなる。