弁護士法人はるか|水戸法律事務所

車の交代運転による事故

Q:A所有の車で,Aの友人BとCの3人が一緒にA所有の車に乗って観光地にドライブに

出かけ,途中ドライブインや道の駅などで3人が運転を交替しながら観光地に行き,その

帰り道でBが運転していた時にカーブでハンドル操作を誤って石垣に激突して,助手席

に座っていたCが負傷しました。

 運転していたBは私ですが,Cの負傷の補償として自賠責保険は使えるでしょうか。

 

 

A:自賠責保険が有責になるには,自賠法3条の「他人」にCが瓦当するかどうかです。

  他人性を判断する要素として下記の事項が考慮されます。

  ①事故当時の運行目的及び運行利益がどうであったか。

  ②ガソリン代や高速道路代などの費用の負担関係。

  ③事故当時の交代運転の状況・経緯。

 

  本件の事例の場合は,3人の共同目的で観光地に行った帰りの事故で3人共に同程度

の利益があると判断されます。

 ドライブの車の費用関係は明確ではありませんが,3人が同じような程度で交替運転

していたことが窺われます。

 これらを総合的に勘案するとCは他人に該当しない可能性が非常に大きいと判断され

ます。

 よって,Cの負傷は自賠責保険が使えないと可能性が大です。

 

注1)Bには民法709条の「不法行為責任」があり,Cの損害を賠償する責任は発生しま

す。

 

注2)Aが任意保険の対人賠償保険に加入していた場合は,Bは記名被保険者Aの承諾を得

て運転していたことから許諾被保険者となります。

   また,CはBの配偶者,父母,子に該当しないことから対人賠償保険は有責となり対

人賠償保険は使えます。

                                     以上