弁護士法人はるか|水戸法律事務所

自賠責保険と労災保険の後遺障害等級認定

Q 追突されて頸椎捻挫の後遺障害後遺障害として労災保険では14級の9が認定されま したが,自賠責保険では後遺障害非該当となりました。  労災で認められたのに,自賠責では認められないのでしょうか。 A 自賠責保険の後遺障害の等級認定は,原則としては労災保険の後遺障害等級認定基準に 準じて行うこととされています。  保険の趣旨からは,労災保険は被災労働者の労働能力の補償をする観点で後遺障害等 級を認定しています。  一方,自賠責保険は,被害者と加害者間の公正な損害賠償額を意図し,損害賠償におけ る適正な賠償と言う観点から後遺障害を認定しています。  認定する組織も,労災は労働基準監督署であり,自賠責は自賠責損害調査事務所で互い に独立した認定機関です。  以上のような事情から,現実には労災の後遺障害等級と自賠責の後遺障害等級が相違 することがありませ。  一般的な傾向ですが,後遺障害等級の認定について労災保険は被災労働者に甘く,自賠 責保険は厳格に調査しています。  これは,両保険の制度及び趣旨から発生している部分が大きいと判断されます。