特定技能実習生に係る手数料について
① 特定技能労働者の仲介と手数料について
• 基本ルール(職業安定法)
日本で人材を仲介する場合、原則として有料職業紹介事業の許可が必要です。
o 許可を得た事業者は、求職者(外国人)から手数料を徴収することは原則禁止されています(職安法32条の3)。
o 受け入れ企業(求人側)から手数料を受け取ることは可能です。
• 特定技能に特有の規制
出入国在留管理庁の指針で、特定技能制度に関しては「外国人本人から手数料を徴収してはならない」と明示されています。
→ したがって、特定技能労働者の受入れ仲介で外国人本人から手数料を取るのは不可です。
② 技能実習生の仲介と手数料について
• 技能実習制度の特徴
技能実習は「人材の受入れ」ではなく「技能の移転」が目的であり、仲介の構造が厳格に規制されています。
• 禁止規定
技能実習法第9条では、技能実習生やその家族から保証金や違約金、手数料等を徴収することを禁止しています。
o 実習生から手数料を徴収するのは違法行為です。
o 監理団体・実習実施者(受け入れ企業)から手数料を受け取ることは制度上可能ですが、外国人本人負担は禁止です。
結論
1. 特定技能労働者の場合
o 外国人本人からの手数料徴収 → 禁止
o 受け入れ企業からの紹介料 → 職業安定法に基づく許可を得ていれば可能
2. 技能実習生の場合
o 外国人本人(技能実習生)からの手数料徴収 → 明確に禁止(技能実習法違反)
o 監理団体・受け入れ企業から費用を受け取ることは可能
もし実務的に「仲介ビジネス」として関わることを検討されているなら、
• 有料職業紹介事業の許可取得
• 受け入れ機関や監理団体との契約スキームの適法化
が必須になります。