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火の元注意

 寒さが深まり乾燥がひどく感じられる季節になり、火事のニュースが相次いでいます。


 今月22日には新潟県糸魚川市の中心部で住宅などおよそ140棟が焼ける大規模な火災があり、その翌日にも新潟市中心部にある住宅の密集地と新潟市中心部にある住宅の密集地で火災が発生しました。


 25日未明に千葉県市川市のスクラップ工場で発生した火災は一日経った今も消火活動が続いています。

 そこで今日は過失によって火事を起こす「失火」をめぐる賠償責任についてお話します。


 不法行為責任については民法709条が一般的な賠償責任を規定しています。
 民法709条は故意または過失によって他人に損害を与えた者に賠償責任を負わせています。


 ここでいう過失には軽過失、すなわち少しの不注意によるものも含まれます。
 しかし、過失によって火を出して他人に損害を与えた場合には民法709条の適用は無く、失火責任法という特別法が適用されます。
 失火責任法の正式名称は「失火ノ責任ニ関スル法律」です。失火責任法は以下のように規定しています。
 「民法第709条の規定は、失火の場合には、適用しない。ただし、失火者に重大な過失があったときは、この限りでない。」
 この法律が適用される結果、「重過失」すなわちひどい不注意によって火を出した者にのみ賠償責任が課されることになります。


 つまり、ある家の人が少しの不注意で火を出して隣の家に延焼したとしても、隣の家は火を出した家の人に対して不法行為に基づく損害賠償はできず、火災保険に加入していない限りお金を受け取ることはできません。


 失火責任法は明治32年に制定された古い法律です。日本は当時木造建築がほとんどでしたから、そのような中で火を出してしまった場合の被害は甚大になる虞が高く、ほんの少しの不注意で火を出してしまった者に多額の賠償責任を負わせるのは酷であるとの判断に基づいて同法が制定されたとされています。


 しかし、現在においては耐火構造の建築物が多くなり、木造建築物は約半分になったと言われています。
 現在は当時と比べて消防技術も大きく発達しましたし、失火に限って責任を軽減する根拠は乏しくなってきているため、失火責任法が改正される日はそう遠くはないかもしれません。

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