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中国で頻発する商標権の問題

 先日、東京都内の「大江戸温泉物語」と全く同じ名称の温浴施設「大江戸温泉物語」が上海にオープンして話題を呼んでいます。
 同施設は日本の大江戸温泉物語から商標権の使用許可を得ていると説明していますが、当の大江戸温泉物語側は無関係であるとコメントしています。
 この場合、本家は当然に中国の施設に対して商標権侵害が主張できるのでしょうか。

 日本企業の商標権を巡る問題は中国で多数回起きています。

 その中の一つが2004年に起きた「クレヨンしんちゃん事件」です。
 双葉社という日本の出版社が上海で「クレヨンしんちゃん」のキャラクター商品を販売しました。
 ところが、中国では「クレヨンしんちゃん」のコピー商品が「蝋筆小新」という名で既に商標登録されていたため、本家の「クレヨンしんちゃん」が商標権侵害として扱われ、双葉社の商品は撤去されてしまいました。
 なぜこのようなことが起こったのでしょうか。
 それは、双葉社は「クレヨンしんちゃん」を日本国内では商標登録していましたが、中国における商標登録を中国企業より先にしていなかったからです。

 商標権は国ごとの基準に沿って商標に与えられる保護ですから、商標権の効力が及ぶのは商標権を取得した国内に限られます。
 したがって、外国でも商標の保護を受けたい場合には、その国で新たに商標登録をしなければなりません。

 関連する争いはアメリカの大企業でも起きました。
 米アップル社が「iPad」を中国で販売したところ、中国で「iPad」の商標登録をしていた中国企業が、自らが有する「iPad」の商標権を米アップル社が侵害していると主張して販売差し止め訴訟を起こしました。
 この争いは米アップル社が中国企業に対して約48億円を支払うことで和解するに至りました。

 商標権の制度は国によって違います。
 日本は、中国と同様に、登録を基準にして最初に登録をした者に商標権が与えられる制度を採用しています。いわば早い者勝ちです。
 他方で、アメリカは商標を使用している事実を基準に商標権が与えられる制度を採用しています。
 諸外国には各国固有の商標権制度があることを念頭におき、海外進出を考える企業は外国でも商標登録をして予防策を講じておかなければ、他企業に先手を打たれてしまうことになりかねません。

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